コーチングとは?
コーチングとは相手(クライエント)に寄り添って,進むべき道を明確にさせてあげる手法の一つです.
語源は,馬車(Coach)からで,馬車に乗せて大切な人を目的地まで連れていくという意味があります.
コーチングの基本ステップ
コーチングは下記のような流れで進行していきます.各ステップでコーチはクライエントに対して適切な質問を投げかけて,相手へ内省を促して,自力で答えを導き出す手助けをします.各ステップと代表的な質問の例は次のようなものがあります.
↓コーチングのステップ
- 目標設定と現状把握
- 強みと障害の確認
- 戦略を立てる
- サポートする
- 行動を促す
↓各ステップの代表的な質問例
- どのような状態を手に入れたいですか?(目標),現状はどうですか?(現状把握)
- うまく行っていることは何ですか?(強みの確認),うまく行っていないことは何ですか?またその要因は何が思い当たりますか?(障害の確認)
- 目標達成のためにあなたは何ができますか?(戦略の立案)
- わたしがサポートできるとしたら何がありますか?(サポート)
- いつからはじめますか?(行動を促す)
コーチングの基本スキル
コーチングをするにあたり,コーチに求められるスキルがあります.
- 第一印象・・・相手にとって話しやすい雰囲気を作り出していること.
- 環境設定・・・相手にとって話をしやすい,居心地の良い空間を演出すること.
- 傾聴・・・あなたの話を聞いていますよというメッセージを非言語的に発する
- 承認・・・相手の存在をすべて認めていることを伝えること
- 質問・・・クライエントに適切な問いを投げかけることで,相手の思考を深めたり,気づきを与えたり,絡まった糸を解きほぐすように考えを整理させたりする.コーチングでは,相手が自力で答えを出すことが重要で,コーチから答えを押し付けてはいけない
これを職場での上司と部下の関係に当てはめてみてみると?
- 第一印象・・・部下にとって話しやすい雰囲気を作り出していること.
- 笑顔は作れていますか?
- 話を遮ったりしていませんか?
- 環境設定・・・相手にとって話をしやすい,居心地の良い空間を演出すること.
- 1on1でF2Fで行う.
- スマホなどの通知は切る
- 周りに話している内容が聞こえないような場所で行う
- 傾聴・・・あなたの話を聞いていますよというメッセージを非言語的に発する
- うなずき
- アイコンタクト
- 姿勢・態度
- 承認・・・相手の存在をすべて認めていることを伝えること
- 否定しない
- 上から目線でアドバイスしない
- 説得しようとしない
- 相手の現状を認める
- 褒め殺しはよくない
- 質問・・・クライエントに適切な問いを投げかけることで,相手の思考を深めたり,気づきを与えたり,絡まった糸を解きほぐすように考えを整理させたりする.コーチングでは,相手が自力で答えを出すことが重要で,コーチから答えを押し付けてはいけない
- オープンクエスチョン(YES/NOで答えられない質問)をすることで考えを整理させる.クローズドクエスチョン(YES/NOで答えられる質問)では,思考停止でも応えられてしまうため相手の内省を促すことが難しい.
- 未来に対する肯定的な質問をする:これからはどうしたい?どうすればうまくいく?など.過去の失敗の原因を探るのではなく,クライエントの気持ちを未来に向けさせて相手のポジティブな意見を引き出す.
コーチングはティーチングではないので,アドバイスや知識の授受は別の機会に行うのが望ましい
コーチは,クライエントの課題に対して自分なりの答えを持っていなくてよい.持っていると無意識のうちに意図していなくても自分の答えのほうに誘導してしまう可能性があるためコーチが答えを準備しておく必要はありません.
コーチングの際の注意点
- コーチは,先入観を入れない
- コーチは,自分の価値観で判断してはいけない.クライエントの判断を尊重する
- 事前の評価を持ち出さない
つまり,ゼロポジションで聴くことを心掛けるのが大切です.
ゼロポジションとは,先入観や自分の思考を排除することです.
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